忘却

 

 

目まぐるしく球体の中を廻る生活に かつてダンボールに詰めたはずの何かは遠心分離されてバラバラになってしまった。

青い日々がずっと続くと思っていた僕らの幼すぎる約束もいっしょに。

せっせと拾い集めようとしても 指の隙間からこぼれ落ちてしまう。

邂逅と別離の交差点で 今日も1度見たはずの天使の影を探している。

吹きさらす雨風に全てを隠すように咽び泣いても 彼女はもうとなりにいない。

雫のような光を落としてくれたひと。

もし、これが永遠の別れなら どうかご無事で。